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第227話「残業のメカニズム」

2019年6月19日

パ-ソナル総合研究所の調査によると、残業の職場での発生メカニズムに「集中」と 「感染」の大きく2つがある。1点目は、残業はある特定の優秀層に「集中」する傾向がある。この背景には管理職の仕事の割り振りがある。管理職の約6割は優秀な部下に優先して仕事を割り振っている。2000年代に入り成果主義の浸透とともに、この傾向は高まっている。短期的な成果を追うために、優秀なメンバ-に割り当てるのが効率的という発想。そうした視点からは、中長期的な人材育成の観点が抜け落ちてしまい、成果主義導入の副作用と言える課題。 2点目は、残業は「感染」するという特性がある。多くの組織特性の中でも最も残業を増やしていた要因は、周りの人が働いていると帰りにくい雰囲気にある。しばしば指摘される、過剰品質の追求といった組織要因よりも、先に帰宅しにくいことへの同調圧力が最も日本企業の残業問題に影響している。 また、この帰りにくさは若いほど感じやすく、20代は50代の1.7~1.9倍帰りにくさを感じている。 この2つの「集中」と「感染」の現象は、異なるようでいて関係しあっている。 優秀な社員は社内で注目を浴びやすくロ-ルモデル化しやすい。しかし、そうした社員に業務が集まり残業が増えるとその人を中心に周囲に、先に帰りにくい圧力が生まれてきてしまう。また、残業対策を行っている企業では従業員層に仕事を振りにくくなり、管理職の業務量が増えてしまうと同じように帰りにくい雰囲気を感染させてしまう悪循環の恐れもある。これらは個人を超えた組織的なレベルの現象であり、勘と経験によらない客観的で組織的な視点での解決が不可欠といえる。 以上



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