長時間労働者の割合の高止まり等に対応し、生活時間を確保しながら働くことができることや労働者の健康確保を図ることを目的とする「労働基準法の一部を改正する法律」が4月1日に施行されました。
各企業は、就業規則、賃金規定の見直しが必要となります。
以下に要旨を記載します。
■「時間外労働の限度に関する基準」見直し
⇒「時間外労働の限度に関する基準」が改正され、労使で特別条項付き36協定を結ぶ際には、新たに、限度時間を超えて働かせる一定の期間(1日を超え3か月以内の期間、1年間)ごとに、割増賃金率を定めなければなりません。
■法定割増賃金率の引き上げ(中小企業主は当分の間適用が猶予)
⇒1ヵ月60時間を超える時間外労働に対しては、50%以上に引き上げなければなりません。
※1ヵ月60時間の算定には、法定休日に行った労働時間は含まれません。
※深夜(22:00~5:00)の割増賃金は深夜割増賃金率(25%)+時間外割増賃金率(50%)=75%となります。
◎猶予される中小企業とは、資本金の額または出資の総額が
小売業:5000万円以下
サービス業:5000万円以下
卸売業:1億円以下
上記以外:3億円以下
または
常時使用する労働者数が、
小売業:50人以下
サービス業:100人以下
卸売業:100人以下
上記以外:300人以下
事業場単位ではなく、企業単位で判断します。
■年次有給休暇に関して
⇒労使協定により改正法による法定割増賃金率の引き上げ分※の割増賃金の支払いに代えて、有給の休暇を付与することが可能となります。
※例えば50%-25%=25%(簡便化のため引き上げ前の割増率を一律25%とした場合の例)
⇒労使協定により、1年に5日分を限度として年次有給休暇を時間単位で取得することが可能になります。
以上