コンサルタントコラム

7月号「キーワードとホテル人事」 担当 岡田

投稿日:2010年07月09日

まさに亜熱帯。今朝のNHKのニュースで「天気は今までとは様変わり、しとしと降るかつての梅雨ではなく、集中豪雨型に変わってきています。」と話していました。素人の感想だけではなくプロの評価も変わり、まさに日本の行く末如何に?の感です。
また、相撲は前代未聞の不祥事で(今までもずーっとあったのでしょうが)国技も青天の霹靂です。
円高は上げ基調。・・・
サッカーワールドカップのベスト16がありました。
まぁー世の中、変化があって面白い。人の命に関わる問題でもないし、生きていくことはできるし、と考えれば“良し”としますか。キーワードは『冷静』ですかね。‘何事も静かに前向きに受け止め、一歩一歩’これが一番。

Ⅰ.最近気になるキーワードの紹介。

1.フレーム設計
●等級定義⇒業務内容が推察できる言葉を入れるようにしましょう。かつては等級レベルに見合った能力(実力)が中心でしたが、昨今の動きとしてレベルを表す内容に代表的仕事事例など職務が推察できるものを加えます。将来の仕事給を慮っては早計ですが昇格の目安にも役立ちます。
●モデル年齢⇒外す傾向にあります。モデル年齢は滞留年数を設計後、18歳高卒者が滞留年数どおり昇格すると何歳で何等級になれるのかを示すものです。設計時には滞留年数の妥当性を検証するために必要ですが、設計が終わるとフレームから消去します。中途採用の多い中小企業ではモデル年齢と実年齢の乖離が大きく、誤解の元になるので外すようにしましょう。
●対応職位⇒等級の幅を少し下方に。対応職位は、例えば課長は少なくとも6等級の力が必要ですといった場合、フレーム上では6~7等級が課長となるよう長方形の枠で図示します。実際の運用では力不足の5等級が課長職につくケースが多く見られます。それらが推定される場合は、フレーム設計時点で5~7等級までを課長として長方形の枠で図示しておきますが、5等級部分は点線にしてイレギュラーであることを表しておき、実際の運用に近いフレームに仕上げます。

2.賃金設計
●40歳のモデル賃金の算出⇒各種指標から推定をします。中小企業でなかなか40歳課長のモデル賃金に当たる人は存在しません。勿論ぴったり40歳でなくても37・38歳~42・43歳くらいの範囲で実在するか、数年前実在した場合はその人をベンチマークに40歳の基本給を推定して算出します。残念ながらそのようなケースでも求めにくい場合は、各種統計資料から算出します。
例)産労総研:
18歳基本給 155,803円 40歳(高卒)303,505円  ピッチ6,714円
18歳基本給 155,803円 40歳(大卒)329,845円  ピッチ7,911円
これらを提示し、経営者と話し合って決定します。因みにこのデータはモデル基本給です。

3.雇用形態別判別
●正規社員と非正規社員の判別⇒判別できる基準を設けましょう。パートタイム労働法が平成20年4月より施行され、正規社員と非正規社員の賃金差の判定根拠が求められるようになってきました。できる限り明確な差を設けるようにした対応が必要です。弊社が指導の中で用いた差の項目例を紹介しましょう。「判断の有無、宿直の有無、担当範囲の区分、残業の有無、教育の範囲、契約更新の有無、人事考課の実施有無・・・」などです。ご参考にしてください。

Ⅱ.ホテルの人事制度設計に学ぶ
会員先生のご縁で新しくホテルの人事制度設計に入りました。いつものように、現在お持ちの就業規則や賃金規程などのヒアリングからスタートしました。人事制度は等級をはじめ策定されたものがあり、すでに稼動しているものと準備段階のものとが混載状態でした。
フレーム設計の一環で、各現場の長に出席していただき、30~40分ずつの聞き取りをさせて頂きました。何度かホテルの人事制度設計に携わってきましたが、今回はこの聞き取りの中で人事制度もさることながら、業界特有の情報を多く得ることができました。一言で‘勉強になった’の感です。調理部門に働く人の夢、ウエイターの将来像など今まで漠然とした把握しかできていなかったことが、すっきりとして視界良好の思いです。

残念ながら紙面では事細かな紹介ができません。そこでご無理を言ってこの9月3日の企業見学会の場所にご了諾を戴きました。
生きた人事制度とホテル業界の生を共に学びましょう。
見学会場での再会を楽しみにしております。  

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