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第5話「経営幹部の心得十カ条」

投稿日:2002年07月16日

1.仕事・経営を公事と心得ているかどうか
天下の金、物、人を用いて行う事業経営は、単に個人のためのものでなく世と人のために存在する公のもの、企業は公器であり、経営は公事である。この自覚を根底に持ってこそ、仕事上の困難に取り組む真の勇気も生まれ、部下や周囲の人からの協力も得られる。

2.担当部所内で起きることは、すべて最終的に自分の責任と心得ているかどうか
社内のことは社長一人、部内のことは部長一人の責任であり、他への責任転嫁は許されない。この自覚に立ってこそ、失敗に対する反省も的確に行われ、改善への創意工夫も生まれてくる。部内の緩みも引き締まる。

3.率先垂範しているかどうか
「頭が動かねば尾が動かぬ」と昔から言うように、責任者が率先手本を示してこそ部下がついてくる。自分は煙草をくわえて遊んでいて、「さぁ働け」と言って も言う通りにならないのが、人間である。たとえ知識、才能は部下より劣っていても、人一倍の熱意を持って仕事に取り組む姿勢が協力を呼ぶのである。

4.人材育成を重要任務の一つと心得、実践しているかどうか
「自分の仕事だけしかしない幹部は半人前、部下を良き人材に育ててこそ一人前の幹部である」と認識し、適切な目標を示し、要望、追求を重ねて部下の育成に取り組むことが大切である。いい人が育ってこそ初めていい仕事ができる。

5.部下が働くのを邪魔しないかどうか
人は誰もが、本来働きがっている。その意欲に水をさすような言動は取ってはいないか。信頼して仕事を任せているか。細かい口出しをしていないか、相談をか け、提案を歓迎し、自主性を生かしているか。有能な熱心な幹部ほど、何でも自分でやろうとして部下の邪魔をしがちなことを自戒すべきである。

6.適性、実力に見合った仕事に取り組んでいるかどうか
自分と部下、そして自分の部所の特徴、実力を正しく評価し、それに基づいて仕事をしていくことが成功への出発点。50の力の人に70の仕事を与えれば失敗し、100の力の人に70の仕事を与えたのではムダである。実力よりやや高めの目標を掲げて挑戦しよう。

7.人情の機微によく通じているかどうか
企業はさまざまな感情を持った人間によって形成される集団であるから、その総合力を発揮するために、経営幹部は人情の機微によく通じていなければならない。人間通であってこそ、良きリーダーとなって周囲の信頼を得ることができる。

8.いざという時の覚悟を日頃から持っているかどうか
困難や失敗に直面したとき、経営幹部としての価値が問われる。右往左往して失敗を重ねるか、禍転じて福となし得るか。平素から「治に居て乱を忘れず」の心構えに立つことが肝要である。

9.心配こそ生きがいと感じているかどうか
経営幹部に心配事があるのは当たり前、高い給料は心配料だと考え、その困難、心配を克服するところに仕事の喜び、生きがいを求めよう。悩みぱなっしでは参ってしまう。

10.仕事が好きかどうか
「好きこそものの上手なれ」というが、好きならば傍目には苦労と見えることに取り組むのも苦にならず、創意工夫を重ねてコツがつかめる。義務感だけで取り組んでいては、一流の経営幹部には到底なれない。まず何よりも、経営、仕事を好きになろう。

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