得々情報

第40話「解雇の予告(労働基準法20条)」

投稿日:2002年07月16日

退職に関しての個別のご相談が増えています。
退職についてのトラブルの原因は、会社と従業員との意識の相違によるものが一番、多いようです。
使用者の「君の働き方は、わが社にはむいていない」「辞めた方が君のためだよ」のような不用意な言葉は解雇と誤解されることにも繋がります。

1.解雇予告

使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日以上前にその予告をしなければならなりません。

2.解雇予告手当

30日以上前に解雇予告をしない場合は、30日分以上の平均賃金(1か月分の総支給額相当給与・通勤手当を含む)を支払わなければなりません。

3.解雇予告と予告手当の併用

解雇予告日数1日について平均賃金を支払った場合においては、その解雇予告日数を短縮することができます。
解雇予告と解雇予告手当を併用して解雇による離職日決定することが可能。

4.解雇予告を必要としない例外

天 災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合(経営不振など会社事情による理由は認められませ)又は労働者の責に帰すべき事由に 基づいて解雇する場合において、その事由について所轄労働基準監督署長の認定を受けたときは解雇予告も予告手当も不要です。
就業規則による懲戒解雇であっても、所轄労働基準監督署長の解雇予告除外認定を受けることができなかった場合は、解雇の法則が適用されます。

  • 注1 形式的には雇用期間を定めた契約が反覆更新されていても、実質においては期間の定めのない労働関係と認められる場合は解雇予告が必要です。
  • 注2 労働組合専従者が会社より賃金の支給を受けていない場合であっても、当該組合専従者を予告せずに解雇しようとするには、その労働者が会社に在籍するものである限り、30日分以上の平均賃金を支払わなければならなりません。
  • 注3 解雇予告手当は解雇の通告と同時に支払わなければなりません。

5.予告期間とは

  1. 労働者の解雇に際して、30日以上前に予告した場合でも、その期問が確定していれば有効な解雇予告である。
  2. 予告期間満了後引続き使用するに至った場合は、改めて法20条所定の手続を要する。
  3. 契約が更新されたものと考えるのが妥当だからである。
  4. 法 定の予告期間を設けず、かつ法定の予告に代わる平均賃金を支払わないで行った即時解雇の通知は即時解雇としては無効であるが、使用者が解雇をする意思があ り、かつその解雇が必ずしも即時解雇であることを要件としていないと認められる場合には、その即時解雇の通知は、法定の最短期間である30日経過後におい て解雇する旨の予告として効力を有する。
  5. 解雇の予告を受けた労働者は、期間中に他の使用者と雇用契約を結ぶことができるが、解雇予告期間満了までは従来の使用者の下で勤務する義務がある。

6.解雇予告の受領を拒絶した場合は

予 告手当は、解雇申渡しと同時に支払わなければ解雇は有効となりませんが、労働者の解雇予告手当の受領拒否に関しては現実に提供されて労働者が受け取り得る 状態に置かれていればよく、解雇の申渡しをなすと同時に解雇予告手当を提供し、受領を拒んだことに対し、供託することは適法に解雇したものとなります。

得々情報 一覧