1. 総報酬制
- 総報酬制では、賞与からも月額給料からも同率の保険料を徴収する。
- 将来受け取る年金額は総報酬制では、賞与と月額給料をあわせた「平均標準報酬額」を基にして計算する。(従来は平均標準報酬月額のみで計算)
- 在職老齢年金の計算では、賞与と月額給料をあわせた月平均の「総報酬月額相当額」を基にして計算する。
2. 標準報酬月額の決定
「標準報酬月額」は15年度から4、5、6月の給料支給額を、7月1日から10日までに届け出をして9月に決定する。
- 標準賞与額とは
1)賞与が支払われた月に、被保険者各人ごとに標準賞与額を決定する。
2)1回の標準賞与上限額は厚生年金では150万円健康保険は200万円とする。 - 保険料控除
総報酬制導入後の厚生年金保険料は毎月の給料からに標準報酬月額の1000分の135.8健康保険は1000分の82を乗じた額を労使折半で控除する。 新しい保険料率での控除が始まるのは、平成15年の5月に支給する給料(4月分の保険料を控除)から。 平成15年4月に支給する給料から控除される保険料(3月分の保険料を控除)は、従来どおり総報酬制導入前の額です。 賞与の保険料は、賞与が支払われた月の翌月末日までに納付します。
3. 賞与が翌年の在職老齢年金に影響
平成15年4月に総報酬制が導入されても、総報酬制による在職老齢年金の仕組みが変わるのは平成16年4月からです。 平成16年4月以降の在職老齢年金には、「標準報酬月額とその月以前1年間の標準賞与額」を用いるため、平成16年4月の在職老齢年金は、平成15年5月から平成16年4月までに支払われた賞与が影響します。
> 平成16年4月以降も在職老齢年金を受け取って働く予定の人は、平成15年5月以降に支払われる賞与の額と時期に注意して下さい。
(年収は同一でも賞与の支払額により従来との受給額が変化)
年収 | 月給 | 賞与 | 在職老齢年金受給額(月額) | ||
従来の方式 | 総報酬制方式 | ||||
A | 288万円 | 24万円 | 0万円 | 7万円 | いずれも 10万円 |
B | 20万円 | 24万円 | 9万円 | ||
C | 17万円 | 42万円 | 10.5万円 | ||
D | 15万円 | 54万円 | 11.5万 |
(年金月額20万円、賞与年2回、60歳から64歳の受給パターン)