得々情報

第72話「労働基準法における労働時間とは・・・」

投稿日:2004年06月29日

労働時間とは「労働者が使用者に労務を提供し使用者の現実的な指揮命令に服している時間」であり、実際に労働者が労務のために使用者の現実の支配下にあり実際に指揮命令に服してさえいれば、現実にはなんらかの具体的な作業をしていなくても労働時間になりますから賃金を支払わなければなりません。逆に言えば、始業時刻から終業時刻までの時間であっても、休憩時間のように労働者が自由に利用することができる時間は労働時間とは認められないことになります。従って、この自由利用の時間に怪我をしても業務上災害とは認められないことになります。

>労働時間を考える
    具体的に労働時間については、次のように区分をされます
    
(1)実作業時間:実際に作業に従事している時間
(2)手待時間:指揮命令(作業体制)下におかれ就労のために待機している時間
(3)準備・整理時間:指揮命令下に行われる作業に必要不可欠な準備及び整理時間でありかつ使用者の直接の支配下に行われる場合の時間
    
「労働時間に該当する作業等に必要不可欠でかつ使用者の直接的支配下にある時間」、については、次のように分類されています。

    
    
▽法令上の不可欠:法令により、保護衣、保護具等の装着等が義務付けられている場合、作業後の身体の洗浄が義務付けられている場合等、法令上一定の準備、後始末が定められ使用者に該当措置が義務付けられているとき。
▽性質上の不可欠:その作業を行う場合に作業の性質上必ず一定の準備や後始末を要する場合で、使用者から点検確認等をうけ業務上必要とされるとき。例えば始業時の機械の点検、用具の整備、作業後の車輛等の格納、洗浄等。
▽社則上の不可欠:作業の性質上不可欠とまではいえないが社内の規則、内規等で義務とされている準備、後始末でそれを怠ると義務違反とされる場合。例えば作業の引継ぎ、参加義務のある朝礼や終礼等。
▽慣習上の不可欠:慣習上義務ないし制度化しており、かつそれを行わない場合なんらかの不利益が予想される準備、後始末時間。例えば始業のミーティング、職場会議、輪番制の実施で義務化している場合の清掃等のとき。

得々情報 一覧